ご挨拶
日本環境変異原ゲノム学会(JEMS)第52回大会を、福岡大学(福岡市)において2023年11月11日(土)と12日(日)の2日間にわたり開催いたします。
本学会の前身である日本環境変異原学会は1972年に結成され、特に公衆の健康に重大な関係を有する変異原とこれに関連する基礎研究の推進、並びに関連情報・技術の伝達を目的として活動してきました。2021年より学会名を日本環境変異原ゲノム学会と改めた本学会は、産・官・学メンバーが率直に意見交換できる風土を引継ぎ、遺伝毒性物質の検出・同定・代謝・機序の研究推進や標準試験法の確立、食品添加物・農薬・環境汚染物質・医薬品・化粧品・労働安全にかかわる基準の決定と規制の実践・教育に大きな役割を果たしています。
第52回大会のテーマは、「変異とは何か?」としました。日本環境変異原ゲノム学会(JEMS)は、その名前の中に変異をいう言葉を用いています。化学物質によって誘発され、がんに繋がる「変異」もあれば、近年多く耳にすることになったウイルス中に生じる「変異」もあります。これらいずれの「変異」も生物学的な現象であり、我々の想像以上に、生活に多くの影響与えるものであると考えられます。よって、この大会では、「変異」が人、生物、社会に与える影響を議論し合う大会にしたいと考えています。本年次大会を通じて、遺伝毒性研究が新たな研究分野や研究体制を生み出し、目指すべき方向が示されることを期待して、日本環境変異原ゲノム学会第52回大会を開催いたします。
現在、このテーマに関連する専門家の研究発表に加えて、様々なシンポジウムやポスター発表を企画しています。例えば、コロナ禍で来日が難しかった海外研究者によるシンポジウム、九州における開催ということから九州の研究者によるシンポジウム、また現役高校生が学んだ内容を発表するポスター発表などです。
多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げます。
日本環境変異原ゲノム学会 第52回大会
大会会長 倉岡 功
(福岡大学 理学部 化学科)